雑につぶやくだけのやつ
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No.923
favorite 2024.10.17 22:15
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「あ、おかえり~」
ドアを開けた22時半。疲れ果てた私を迎えてくれたのは、愛しい恋人の声だった。乱暴にパンプスを脱ぎ、少しだけふらつきながら廊下を通り、リビングへと到達する。
無意識に部屋の中を一瞥する。いつもと変わらない、二人で暮らす部屋。私が唯一、心を解放できる場所。
「優希、ご飯食べた~?作っておいたよ!」
彼女の言葉に温かさを感じる。と、同時に、疑問が口をついて出ていた。
「彩花はご飯どうしたの?」
私の問いかけに、彩花は「今日は私も残業だったから、外で食べてきたんだ。あ、でも、ちゃんと愛情込めてご飯は作ったからね!」と、ダリアのような華やかな微笑みを添えて、私に返した。
「そっか、いつもありがとね」
私は、彩花に笑顔を向ける。彼女は嬉しそうに頷いて「今温めるから、着替えてきてね!」と促した。
……でも、知っている。今日、貴方、仕事が休みだって。
#SSA