今回の印刷レポートは、「オレンジ工房」さんでの試し刷りです。
以前、アクキーお試しも利用させてもらったのですが、今回は本(冊子)用の試し刷りにチャレンジ!
「この場合はどうなる…?」と個人的に疑問だった部分を解消できるようなオーダーにしてみました。
今回利用した試し刷り+仕様説明
今回、私が利用したのは「RGBビビッドカラーPPセット(本文単色ブライトカラー)」です。
プランの詳細は以下の通り。
表紙:RGBビビッドフルカラーにPP(クリア/マット選択可)
本文:見開き2Pずつ本文用紙/インク指定可能×2(合計4P/片面印刷)
お願いしたオーダー内容はこちら。
試し刷りでは、本来紙替え料金が必要なスーパーコミック紙なども選べます。
表紙:RGBフルカラーにマットPP
本文:スーパーコミック紙ブルーにピーコックブルーインク
色上質さくらにブーゲンビリアインク
ここからは余談ですので、実際の印刷の感じを見たい!という方はこちらをクリックして飛ばしてください。
余談:試し刷り選択肢多すぎて困らない?
オレンジ工房さんの試し刷り、一覧を見ると数が多すぎて「何を選べばいいねん!?」って思いませんか…?私は思いました!
ので、勝手にある程度まとめてみました。今後試し刷りや印刷をお願いしたい方の参考になればと思います。
表紙周りに関して
まずは表紙(用紙/仕様も含む)で、以下の4つに分けられます。
フルカラーは基本のCMYKインクでの印刷、RGBビビッドカラーはM(赤)とY(黄色)が鮮やかなインクで印刷されるもので、あくまで印刷自体はCMYKであることに留意してください(サイトにも記載されています)。
ミランダは大きなキラキラが入った用紙(特殊紙)で、オンデマンドレイヤー箔は、シルバーとゴールドの擬似的な箔押しが可能な仕様。こちらのみ、試し刷り価格が980円です(他は550円)。
次に、PPを利用するか否かで選択肢が大きく変わります。
というのも、フルカラー表紙はPPがない代わりに特殊紙が利用できる仕様だからです。
なので「PPをかけた際の色の出方を知りたい」場合、RGBビビッドカラー/ミランダ/オンデマンドレイヤー箔のいずれかからプランを選ぶ必要があります。
逆に、ミランダ以外の特殊紙で色の出方を見たい場合は、フルカラープラン一択になります。
本文周りに関して
オレンジ工房さんの試し刷りでは、以下の4種の本文が選べます。
本文オールカラーは「オンデマンドオールカラー(PP)セット」及び「RGBビビッドカラー(PP)セット」でのみ利用できます。
その他3種は、基本的に表紙がどれであっても利用できます。
本文印刷を具合を見たい方は、お好みの表紙仕様に合わせて選べば問題ないかと思います。
が!ここで注意!
オレンジ工房さんでは、「グラデーション優先印刷」と「マット優先印刷」の2種が選べる…のですが、この比較が可能なのは「本文モノクロ」の場合のみです。
ブライトカラー、ダークカラーなどの単色インク印刷を選択すると、印刷方法は選択できません。
本文モノクロの場合のみ、1Pをグラデーション優先、2Pをマット優先…のように選択できます。
マット(グラデーション)優先の出方を見たい!という場合は注意してくださいね。
結局どうしたいねん!的な感じになったので、ざっくりまとめました。
早見表にもなりませんが、方向性を定めるのに使ってもらえればと思います。
- 表紙表紙はPP?特殊紙?RGB?
PP→RGBビビッドカラー/ミランダ/オンデマンド箔
特殊紙→フルカラー/ミランダ
RGB→RGBビビッドカラー - 本文1本文はフルカラー?
フルカラー→オンデマンドオールカラー/RGBビビッドカラー(オールカラー)
- 本文2マット/グラデーション優先印刷を利用したい?
本文モノクロのプランを選択(表紙はどれでもOK)
- 本文3本文色刷りを利用したい?
本文単色ビビッド/ダークカラーのプランを選択(表紙はどれでもOK)
RGB+マットPPの表紙感想
・オンデマンド印刷の性質上、今回だけの色出である可能性があります
・モニター・ディスプレイなどで本来の色と差異が出る可能性があります
(私のモニターと実物の色味が近くなるように調整しています)
まずは表紙!RGB(正確に言えば疑似RGB?)にマットPPをかけてもらいました。

ちょっと彩度を調整したらムラが出てしまったので、少し暗いですがそのままの写真にしました。
本来はもっと鮮やか・華やかです!
色味もRGBと言われてもわからないほど。RGB印刷が得意な印刷所さんと比較しても、くすみなどの差は感じません。
ただ、Mはちょっと強く出ているかも?蛍光ピンク差し替えでの印刷…とまではいきませんが、Mが鮮やかに出ている分、ピンクみが強いといったほうがいいのかも。
マットでこれだけしっかりキレイに出ているので、クリアPPだとかなり鮮やか(色味強め)になるかもしれませんね。

自然光(木漏れ日)の下で撮影したもの。鮮やかさが少しでも伝われば…!伝われ!
個人的にはよく使う色味がキレイに出ているので、今後利用するならRGBかな…と思っています!CMYKと比較していないのでアレなのですけど…やはり試し刷りか!?
本文(単色ブライトカラー)の感想
オレンジ工房さんは、オンデマンド印刷所の中では数少ない本文単色カラーが利用できる印刷所ということもあり、以前から気になっていました。
(他に利用できるのは夢工房まつやまさん、しまや出版さん、なないろ堂さん、おたクラブさんあたりかな?孔版印刷系では、レトロ印刷さんやEditnetさんも利用できます)
ただ、カラー系のインクはどうしてもテカりが出やすいイメージがあり…。
私の絵は基本ベタ面が少なめなので、テカっててもそんな気にならない方かとは自分で思っているものの、あまりにもあまりだと辛い。
と、いうわけで!実際の印刷を見たほうが不安も少ないやろ~!とブライトカラーを選択しました。
マット優先印刷も見てみたかったのですが、カラーインクでテカリが気にならなければ、マットはもっと気にならないだろうと予測したのも理由のひとつです。
あとはまあ、また試し刷りすればいいや精神です。
スーパーコミック紙(ブルー)+ピーコックブルー
コミック紙はテカリが少ないだろうと見込んでのセレクト。青系のインク好きなんですよね~。

アップにするとこんな感じ。印刷もキレイに出してくださっています!
ちなみにA5サイズ/70線/グレスケ入稿(原稿自体はモノクロ2値に近い)です。
コミック紙は優しい手触り。モンテシオンのほうがザラつきがあります。
色はもうちょっと青いかな…。色上質の「あさぎ」がもう少し薄くなったような色です。
コミックルンバのブルーとほぼ同じ色と思っていただければわかりやすいかな。
というか紙目見た感じ同じかもしれない。

左上にはグレースケールも置いて下さってます。キレイに色が出てる!
色上質(さくら)+ブーゲンビリア
もう1種は色上質にしました。
コミック紙はテカりにくい特徴がありますが、色上質だとどうなるのか…?これは個人的に確かめておきたいポイントだったんです。

こちらもキレイに印刷していただいてます!ベタのテカリもパっとみた感じ気になりません。
が、やはりコミック紙に比べると多少光るかな…?という印象。

自然光の下、光がベタ面に当たるようにあえて傾けてみました。
まあ十分許容範囲なのでは…?色上質はどうしてもつるっとした感じになっちゃうので、多少のテカリは仕方ないのかなと。
これはオレンジ工房さんに限らず、オフに比べるとオンデマのほうがカラーインクは特にテカリやすいイメージがあるので…。

グレスケはこんな感じです。コミック紙に比べるときれいな(ぱっきりと別れてない)グラデになっている…?(でも実際目にするとほぼ同じです)
すごい意地悪なことをする
私は性格が悪いので、わざとテカるように蛍光灯の光を当ててみました。なんてことをするんだ。
こちらは色の調整などは行っておらず、あいぽんで撮影したままをトリミングしています。


やっぱ色上質のほうがテカりは感じるか…?ってところですが、ガッチリ蛍光灯の光を当ててもこの程度なので、「カラーインク使ったらめっちゃテカったァ~~!!」ってことはないのかな、と思います。
軽減したいならコミック紙を使ったほうがいいとは思いますが。
念の為、他社さんのオンデマンド印刷も蛍光灯に当ててみましたが(我ながらほんま性格悪くて草)、グラデーション優先印刷だとこのくらいが普通かな、という印象でした。
マット印刷にすればこのテカリは消えると思いますので、「マット感を優先したい!」という方は、本文モノクロでマット優先印刷を選べば問題ないかと思います!
総評的なやつ
オレンジ工房さんは様々な装丁のフェアを開催されていて、魅力を感じていたこともあり、今回試し刷りをお願いしました。
単色カラーという、他社さんでもテカりやすい(と私が思っている)ところを選んでお願いしましたが、想像以上にキレイに印刷して下さっていて「これはお願いしたい…!」と思えました。
特にカラーの出方が個人的に好みで、先述の通り自分が出したい色範囲をカバー出来ている印象だったのが大きいですね。
フェアを利用すれば割引+グッズ作成なんてことも出来ますし、上手に合わせて本を出したいな~!
オレンジ工房さん、ありがとうございました!
